こんにちは。もとちかです。
バー経営は儲かる。みたいな話を聞いたことあるけど本当かな?
バー経営に憧れているからいつか経営してみたいなと思っている方。
そんな疑問に現役で飲食店を経営している私がデータをもとに解説して行きます。
バー経営は儲かるのか【現役飲食店経営者が損益計算を試算してみた】
少し前の話になりますが、一時期、バー経営が儲かるみたいな話が
世の中に蔓延した時期がありました。
それを今現在の飲食店の状況も加味して、もう一度考え直してみたいと思います。
儲かるかどうかはやり方次第
初っ端から結論ですが、当たり前のことながら、やり方によって儲かる儲からないはやり方によって左右されます。
そもそもどの業態もそうだけど、不景気でも利益を増やしている会社もあるし、景気が良くても潰れる会社もあるので、当たり前の話ですね。
曖昧な回答ですみません。そういうもんです。
では今回は何を話したいかというと、失敗の例と成功の例を見ながら、どうやったらバー経営で成功できるのか、どんな人に向いているのか、投資回収はどのくらいでできるのかなど、リアルな数字を見ながらお話ししていこうと思います。
また私は基本的に地方での経験がほとんどなので、地方でバーをやるならというお話になります。
バー経営店舗例
A店
- スナックの居抜き物件を使って初期投資100万円
- ・家賃は7万でカウンター席6席とボックス席2つ(各4~6人くらい)
- 内外装は基本そのままだが、店舗名看板と電球がLEDでなければLEDに変える
- オーナー店長一人で経営する
- 原価率は20%くらい
- イメージはカジュアルなショットバー
- 自己資金のみで開業
初期投資内訳
- 店舗取得費(敷金みたいなもの):42万円
- 看板代:10万円
- グラスや皿など20万円
- 電球代:2万円
- その他備品があれば買う:25万円
経営設計
- 週一休みで26日営業
- 家賃:7万円
- 光熱費:4~5万円
- 雑費:1万円
- 原価率:20%
と考えると、固定費は約13万円。
原価も考えると月売り上げ15万円が損益分岐点となります。
(ここでいう損益分岐点はオーナーの給料0円と考えた場合)
客単価:3000円
つまりは1ヶ月50人の来店でオーナーの給料は0円となる。
ということから1ヶ月の売り上げ目標50万円。
1日あたりの売り上げ目標:2万円(6~7人)/日
50ー13万円=37万円(オーナー利益)
ということになります。
これを達成できればそこそこ儲かるともとれますね。
年収で言えば440万円ほどなので、田舎のサラリーマンよりはいいんじゃないでしょうか。
B店
- 居酒屋の居抜き物件を使って初期投資100万円
- 家賃は7万でカウンター席6席とボックス席2つ(各4~6人くらい)
- 内外装は基本そのままだが、店舗名看板と電球がLEDでなければLEDに変える
- 一人スナック経験者などの女の子を雇って経営する
- 原価率は20%くらい
- イメージはカラオケバー(スナックに近いかも)
- 自己資金のみで開業
初期投資内訳
- 店舗取得費(敷金みたいなもの):42万円
- 看板代:10万円
- グラスや皿など20万円
- 電球代:2万円
- その他備品があれば買う:25万円
経営設計
- 週一休みで26日営業
- 家賃:7万円
- 光熱費:4~5万円
- 雑費:1万円
- カラオケレンタル料:5万円
- 原価率:25%
- 人件費:20万円
と考えると、固定費は約38万円。
原価も考えると月売り上げ約50万円が損益分岐点となります。
(ここでいう損益分岐点はオーナーの給料0円と考えた場合)
客単価:3500円
つまりは1ヶ月143人の来店でオーナーの給料は0円となる。
ということから1ヶ月の売り上げ目標70万円。
1日あたりの売り上げ目標:2万7000円(7~8人)/日
70ー50万円=20万円(オーナー利益)
達成できればオーナーの不労所得として20万円の収入となるが、雇っっている人が辞めるということになれば、自分が出るか、違う人を探すということになります。
A店とB店を比較して考察してみた
この2店を見てみなさんはどう思ったでしょうか。
私なら迷わずA店を選びます。
それは人を雇うということのリスクがはっきりとわかるからです。
B店の場合雇っている子がやめたいと言ったら次の子を探すか自分がでなければいけません。
その時に仮に売り上げ目標を達成していたとしても、その売り上げを維持することが難しいと思うからです。
どちらの店舗も家賃だったり、大きさを同じくらいで比較してみましたが、固定費が増えるということはまず赤字になる可能性が高まるということも言えます。
売り上げ目標通りになっていればいいですが、最初からそんなうまくいく人はかなり少ないと思った方がいいと思います。
このブログでも再三言っていますが、認知というのが店が小さければ小さいほど、立地が悪ければ悪いほど、時間がかかります。
しかも今回は初期投資が100万円ということで、自己資金で賄う呈でみてみましたが、借金するのであれば、固定費が増してきますね。
そしてカラオケがあるのかないのかでも比較できますが、カラオケを設置した方が集客はしやすいと思います。
ですが、それによってレンタル料という固定費がかかってくるので、その費用対効果があるのかということも考えなければいけません。
バー経営で私が思うこと
バー経営というとおそらく1人か2人でやるような小規模なお店が多いと思います。
そんなお店は属人性がとても高いです。
B店のような雇っている女の子がやめてしまうとお客離れがかなり顕著に現れると思います。
はっきり言って一からお店を作るのとさほど変わりないかもしれません。
ということで自分でやる方がリスクが少ないし、作り上げてきた売り上げなども維持できる可能性が高いです。
なおかつ、自分だけの人件費であれば、集客できれば収入を増やすことも簡単にできます。
バーの実務としては料理に時間のかかるようなものはほとんど置かないと思いますので、お酒を作って軽いつまみを出しつつ、喋るのが仕事になるでしょう。
ということは、お客さんが増えても一人でまかなえてしまう程度の仕事しかありません。
もちろん売り上げが伸びてきて自分も中心で店に出つつ、女の子を雇うなどはありですが、何よりも自分のお客さんを獲得することが売り上げを維持していくにはとても重要なタスクとなります。
つまりはお酒の種類が詳しいとか料理が上手いということよりも、お客さんと話して楽しませられるかがポイントです。
なので、今まで料理人をやってきたバーでバイトしてたとかは結構でもよくて、コミュニケーション力があるかどうかが向き不向きを分けるポイントなのです。
儲かるか儲からないかということは店に出ている人のコミュニケーション力に依存するとも言えるかもしれませんね。
バー経営でアピールできるポイントを見つけよう
ここまででコミュケーション力が重要だという話をしてきましたが、その能力が飛び抜けてなくても売れる可能性が高まるポイントを解説していきます。
それはお客さんを楽しませられるアピールポイントがあるかどうかということです。
例を挙げてみます。
・マジックができる
・毎日変装して見た目で楽しませる
・あらゆる分野の知識量が豊富
・超得意な分野がある(サッカーが超すきとか、格闘技が超すきとか、政治の話が超わかるとか、バイク、車が超すきとか)
・お酒の知識が豊富
・お酒をかっこよく作れる
など、やりようは実は多くあります。
前述したように属人性が高い仕事です。
あまりニッチすぎることでなければ、自分自身に興味を持ってくれる人は大多数います。
集客はいろんな形でやらなければいけませんが、バーをやっている人が魅力的がどうかが重要なわけです。
そこそこのコミュケーション力はいるにしても、ある一定の分野のオタクであっても、その人と話したいなど、興味を持ってくれる人は結構な数います。
ですので、そう言った特徴となれるアピールポイントがあるならとても向いていると思います。
まとめ
バーは儲かるのかと言えば、属人性が高いので、自分自身をアピールできれば儲かる可能性が高まるでしょう。
今回損益計算などを例に挙げてみましたが、バーをやりたい人はかなりリアルな数字だと思うので、参考にしてみるといいと思います。
バーは儲かるのかという議論は実はどうでもよくて、どうやったら自分なら儲けられるかを考えることが重要ですので、自分ならこの立地ならと色々考えてみてください。
飲食店の中でもビジネス的に言ったらやりやすく、固定費が安く儲けやすい業種のように思います。