こんにちは。もとちかです。
飲食店の原価率についてはいろんな記事で書かれていますが、一般的にとか、基本飲食店全般を対象にして書かれている記事が多すぎます。
そこで、現在も田舎で飲食店を経営している私が実際田舎ではどうなの?ということをリアルに語ります。
もちろんそれはお前の考えだとという意見も出てくると思いますが、正解はないので、田舎では実際にこういう例が多くて私はこう思うという視点で書いていきます。
田舎の飲食店の原価率について現役の飲食店経営者が思うこと
まずこの話をしようと思った時に、一番気になったのが、そもそも原価計算など、経理に疎い経営者多すぎるということでした。
そもそも経理を可視化していないというところが多すぎますね。
飲食店は商売する中でも、経費としての勘定科目がとても多い業態です。
ですので、どんぶり勘定する人は実は向いていない業態でもあります。(サービスをする気前のいい親父とどんぶり勘定するのは全然別の問題です。)
要は裏側でしっかりとした計画や経理管理ができているかという話です。
その辺がかなり曖昧になっている飲食店が多い。というか、個人のお店はそんな店ばっか。税理士に頼むお金もないとかいって自分たちで経理をしてちゃんとした数字を出さない。というかそれに労力を使って消耗して確定申告用の書類だけを作っている。
確定申告の会計ももちろん大事だが、管理会計も同じくらい大事だということを理解した方がいいと思う。
特に原価率は顕著で、どこで仕入れたか、や、相場によってその日その日の値段が変わるものが多く、計算がややこしくなることも多い。
しかも10月からは免税が始まるため、仕入れに関しても8%のものと10%のものが別れてくる。
これを正しく整理して会計することは相当な労力であることはやったことのある人ならわかるんじゃないでしょうか。
思っていることについてはこの辺にしてじゃあどうやって実践に対して考えていけばいいのかというところをお話しましょう。
一般的な原価率は?
まずは基本事項としてこれを頭に入れることも相対的に考えることとして重要なことだと思う。
本なんかに載っているのは大抵30〜35%くらいだろう。
実際問題、私の周りでもそのくらいの店が多いように思える。
もちろん業態にもよって変わることもあるが、結局のところ、何%が適正とかそんなもんは机上の空論であることが多い。
というのも30〜35%って乖離が大きすぎる。
30%の店と35%の店では利益が大きく変わってくるからだ。
飲食店を初めてみるとわかると思うんだけど、原価率を5%減らすことは非常に難しいし、いっそのことほとんどのメニューが変わるというくらいの勢いじゃなければ中々時間がかかってしまうものだってlことを認識した方がいい。
だからと言って、既存のお客さんを手放してしまう可能性も秘めているというのに簡単にはメニューを変えることもできないというジレンマにはまってしまう。
優良原価率はこれだ
じゃあどうすればいいのかという本題ですが、これは30%以下を目指せということが私の思う回答です。
最初から30〜35%という曖昧な目標ではなく、きっちり29%を目指すということだと思う。結果的には1〜2%を許容して、高くても32%を推奨する。
それ以上現在高い原価率の店はその数値まで下げられるように努力を継続するしかない。
仕入先から仕入れ交渉、メニューの変更から、既存のメニュー味から見直した方がいいと思う。
というのも原価が高い代償は大体の店はどこにいってると思う?
多くは人件費だ。
飲食店の低賃金、長時間労働が揶揄されるのは、これが最も大きな理由だと私は思っている。
家賃は田舎なら対して高いところは多くないし、光熱費だって上限がある。その中で売上を上げろと言われても、人口減少は食い止めることはできない。
まずは原価率を下げることがその店の地盤を固めることだと思っている。
田舎ではコストパフォーマンスの伝達は難しい
実は田舎で飲食店をやるってなった時に、コストパフォーマンスを考えて原価率高めのお店を作ろうとかしても、そのコストパフォーマンスを伝達しづらいということがある。
というのもそもそも田舎の人間は情報弱者が圧倒的に多いということと、それに伴って、飲食についてのリテラシーも著しく低い人が多いからなんです。
かと言って最近流行りの『俺の〜』みたいな誰でも高級だとわかるものを原価率50%とかかけて始めたとしても、そもそも高級だからと言ってうまいわけじゃないと思っている人がまず多いこと。
それからそもそも高級料理が安くても、それでも高いという層が多いこと。
高級食材の味を知らないので、行かないという人も多いということ。日本人は知らないものは手を出さないからそもそもいかないんですよね。
と言ったことが多く、それ系の方法は難しいことが推測されるし、かと言って安いものをさらに安くすると、そもそも人口少ないから仮にそこそこ流行って月商300〜400万売ったとしてもたいして儲からないという事態になってしまう。
さらには流行ってスタッフが多数必要となれば今度は人材不足やスタッフのクオリティ不足で売り上げを維持するのは難しくなってくるという現実もよくある。
ただでさえ飲食店は低賃金、重労働というイメージがついているのに、スタッフからすればこんなに流行っているのに給料が上がらないという不満が出やすくなるということもあるだろう。
いずれにしても、やり方によるが、こんな原価をかけてこの値段で提供しているのにその価値が伝わらないということは田舎ではよくある話だし、そこそこ都会の都市のように新規を獲得しやすいような場所でなければ、特化型の飲食店はそもそも厳しいという見方もある。
特化型はある一定のお客さんをターゲットにして、そこから波及するお客さんを取り組むことで繁盛するわけだが、田舎ではかなり計画に綿密に行わないと厳しいことは確実だろう。
という複数の背景から原価率は30%以下というような考えに至っている。
田舎で売上200万円は優良店だという認識
最後にこれを理解しておいた方がいいということをお話ししようと思う。
それは田舎で個人が飲食店を始めるのに、売上200万円を達成できればそれは優良店だといっていい。
もちろん、いろんな物件があるので全てではないけど、家賃20万以下で営業している人が多数という個人飲食店のなかで、200万円を出して利益が出ないのは経営ミスだと私は思う。
つまりは売上で200万いってない店は当然そのくらいの売上を目指すべきだと思うし、それ以上の売上を出せているにも関わらず、利益が対して残っていない店は会計部分を見直す必要があると思う。
もし以上の2つこと。
売上200万、原価30%以下を達成できているような店があれば、儲かる店の完成である。
まとめ:原価率30%以下を目指す。売上200万を目指す
おそらくこの条件を達成している店はかなり少ない。
だからこそ、潰れる店が多発する。だけど、売上200万ということはおいといて、原価率30%以下にできるかどうかは、かなり生存率には関係すると思う。
一番わかりやすい例がスナック。
どんな田舎でもなかなか潰れない。商品は9割ママだ。
ホリエモンが飲食店の最強はスナックだと言うことも納得するでしょ?