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飲食店はほとんどが失敗する理由を語る【それでもやりたい人へ助言】

飲食店はほとんどが失敗する理由を語る【それでもやりたい人へ助言】

飲食店は3年後に7割が閉店するという過酷な業界です。残りの3割が生き残っていようとも、その3割のほとんどがギリギリの経営というのが現状です。

そんな状態に陥っている飲食店業界ではほとんどの人が失敗する理由を理解していないという現状もあるので、今回はそれについて理解を深められる記事を書いていきます。

あなたは飲食店を開業して何をしたいんですか?

こんにちは。もとちかです(詳細プロフィールはこちら

この質問に明確に答えられますか?憧れだけでの開業ではありませんか?失敗する理由を理解し、あなたのやりたい飲食店開業を目指すべきです。

飲食店はほとんどが失敗する理由を語る【それでもやりたい人へ助言】

きっとこの記事をみている人は現在飲食店経営をしている方は、これから飲食店を経営してみたいと思っている人だと思います。

私自身、現在も飲食店経営をして6年が経ちます。ですので、実際に感じたことや論理的に失敗する理由について書きますが、それでもやりたい人の気持ちがわかる人間です。

そういった事を踏まえて読み進めてもらいたいと思います。

飲食店経営が失敗する理由5つ

飲食店を失敗する理由は次の5つです。

独りよがりの店にしてしまう(自分の能力を過信する)

これが最もよくある事例じゃないかと思います。飲食店で働いたことのある人でも経営者としては素人であるという事を認識できない事です。

特に職人気質の人には多いです。今時料理がうまいだけで流行ると思っている人は大抵失敗します。どこどこで働いていたということは一つのブランドになり得ますが、それと、自店のお客様の舌にあうかということは少し違ってきます。

また、一番多くあるのが、自分では最高だと思う店にしているという過信です。飲食店では店主が自店を最高だと思えることは素晴らしいことですが、それとニーズに対応することは全く違うからです。

商売にはプロダクトアウトとマーケットインという考え方がありますが、田舎に行けば行くほど、マーケットインが重要であると考えます。

プロダクトアウト→サービスを提供する側の発想でビジネスすること

マーケットイン→ニーズに対応してビジネスをすること

田舎に行けば行くほど、リテラシーが低い人が増え、高齢化しているという実態があるので、新しいものは受け入れづらい、知らないものは頼まないという現状があります。

私も田舎の方で飲食店を経営していますが、マーケットインの考え方がとても重要であると感じています。

知り合いだけでは経営は成り立たない

よく友達や知り合いが多い人がこれを考えがちです。中の多い知り合いが仮に100人いようと、飲食店ビジネスからするとたかが100人です。

単価1万円とか取れれば話も多少変わってくるかもしれませんが、知り合いが全てそこそこの金持ちという人もかなり少ないでしょう。

知り合いで店がガヤガヤするのは開店してから2〜3ヶ月だけです。その後もきてくれることはあるかもしれませんが、それに頼る経営は失敗しやすいですし、そもそもそんなに売り上げが伸びないことも少し計算すればわかることです。

仮に単価4000円の居酒屋あったとして、月に1回100人の知り合いが来たとしても売り上げは40万円にしかなりません。

飲食店の旨味がある売り上げラインは、200万と言われています。もちろん店の大きさや家賃にもよりますが、家賃5〜20万の間で勝負する場合はこの辺が1つの目標ラインとなります。

いかに知り合いだけでは成り立たないかが数字を見れば明白です。

初期投資をかけすぎる(コスト管理ができない)

飲食店を開業するとなると初期投資が少なくともかかります。そこでどうしても素人は新しいお店だからどれもこれも新しくして開業しがちです。もちろんそれも悪くはないんですが、1店舗目の場合はスモールビジネスを始めた方がいいです。

初期投資が高い

今や大きくなっているチェーン店でも最初は本当に小さな店舗から始まった店がほとんどです。

そして、初期投資は削ろうと思えばいくらでも削れるところが実はあるんです。形から入るタイプの人はテーブルや食器などの備品から内装、外装、全てを完璧にしようとする人がいますが、そんなことしたら簡単に何千万という初期投資額が必要になってきます。

その投資額が回収できる見込みがあるならばいいですが、それを甘く見ている人があまりに多い。

基本的に飲食店を経営する場合、初期投資は長くても5年で回収したいところです。理想は3年以内です。

仮に1000万円を5年で返すとなると年間200万、月に16万ほどの借金返済になることになります。これはあまりに負担が大きいことに気づくべきです。

仮に毎月200万円の売り上げを出せる見込みがあったとしても、借金返済だけで8%の負担です。

飲食店では利益率10%取れれば優良店だと言われますが、そんな中借金返済だけで8%はかなり大きいという認識を持った方がいいです。

コスト管理ができない

初期投資以外にももちろん毎月、材料費や人件費、家賃、光熱費、雑費などがありますが、これらのコスト管理ができない人は失敗します。

もちろんほとんどの人は経営者としては素人なので、これができないわけなんですよね。だから閉店する店があとを絶ちません。

ちなみに飲食店の会計の理想は下記です。

原価率30%
人件費25%
家賃10%
光熱費5%
借金返済5%
雑費10%
利益率15%

店によっては戦略はまちまちかもしれませんが、この数字に近づけることは非常に重要です。

本に書いてある数字とは少し違う部分もあるかと思いますが、スモール飲食店における私が6年間で培ってきた知識だと上記の会計が理想です。

広い店で開業してしまう

これは前章と、かぶるところもありますが、実は広い店よりも小さなお店の方が失敗の確率は低いというデータがあります。

以下をご覧ください。

これは小さい店の方が家賃が比較的安いことや、人件費カットに繋がるためだと言われていますが、実はこれにはもう1つの理由があります。

それは流行っているように見えるかどうかということです。実はこの部分があまり知られていなくて広い店を始める人も多いのかもしれません。

客席数が15席ほどの飲食店であれば10名ほどで満卓になります。

そして5人くらいお客さんがいるだけで、そこそこお客さんが入っているように見えのです。これはとても重要なことで、日本人が店を選ぶときに流行っているお店を選びたがる習性があるのです。

思い返してみてください。流行っている店が近くにあれば一度は行ってみようかなと思ったことも多くないですか?

これは昨今ではあまり語られていませんが、『夜カフェ』ブームの火付け役となった宇田川カフェのオーナーも言っています。

『人が集まるところに人が集まる』

と。私も同意です。田舎であれば尚更だと思います。

努力しない

最後にこれです。努力しない。これは全てにおいてそうなのですが、メニューも変わらない。値段も変わらない。雰囲気も変わらない。これはダメです。

よく『昔からずっと変わらず、いい店』という言葉がありますが、この裏には実はお店の努力が隠されています。

何も変わらないお店は衰退していくことしかありません。上記の言葉をもらえるのは芯を保ちつつ、少しづつ変化させていき、昔も今も愛されているからです。

また、飲食店に特に努力がかけているのは集客やマーケティングに関することです。

暇なのに、チラシも配りもしない。web集客もわからないと言って取り組まない。これではただお店が暇になっていく一方です。

飲食店が開店しているときにできることはきてくれたお客さんを満足させるということを努力することしかできません。いわば売り上げを上げる努力ではなく、売り上げを保つ努力です。

売り上げを上げる努力は外に言って集客しないとダメです。飲食店では必ず、常連さんも少しづつ変化していきます。ということは新規のお客様を獲得できなければ売り上げが下がっていくわけです。

これについては別記事でも詳しく書いているのでご覧ください。

【使わないと大損】居酒屋でのLINE@活用法

飲食店でのInstagramの活用法【実例あり】

【飲食店必見】ポスティングの効果とそのタイミング

それでも飲食店をやりたいあなたに言いたい事

ここまで読んでくれた方はきっと飲食店経営の大変さを痛感したんじゃないかと思います。

現在飲食店を経営している人の中にはこんなに考えているんだなと思った方もいるかもしれません。

ですが、飲食店は甘い世界ではありません。3年後に7割以上が廃業するような難しい業界です。

私からすれば当たり前くらいの内容です。

それでも飲食店をやりたいという人がいれば、この記事の内容を理解し、鬼の努力をしてください。努力無くして飲食店で成功することはありません。

そして飲食店経営にはちゃんと夢もあります。

年収2000万円以上稼いでいる飲食店経営者もたくさんいるのも事実です。サラリーマンでは到底達成できない数字にも手が届く世界です。

さらには一般のお客様と直接接することができる、数少ない業界です。お客様から直接「ありがとう」や「この店があって本当によかった」や「この店の味が1番美味しい」と言ってもらえる幸福度がとても高い業界でもあります。

失敗する理由をしっかりと理解し、それを埋めていき、お金と精神にコミットするお店づくりを目指してください。

一応ですが、私も飲食店コンサルタントをしているので、お手伝いもできこともあるかもしれません。興味ある方はお問い合わせください。

お仕事依頼はこちら

最後に読んでおくとさらに知識やスキルになる記事もご紹介しておくのでご覧ください。

飲食店ノウハウについての記事

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